4年ぶりに復活する静岡ダービー(ジュビロ磐田-清水エスパルス=4月1日、エコパ)に向けた連載「勝つしかない」の第2回は、OBインタビューです。かつて両チームに所属した常葉大浜松サッカー部の山西尊裕コーチ(40)が、伝統の一戦で何を感じ、戦っていたかを明かします。

 山西氏は1995~04年に磐田、清水には05~08年在籍し、06、07年には第7代主将も務めた。静岡ダービーには、両チームで出場。選手たちはどんな意識で臨んでいたのだろうか。

 「『特別なもの』。その一言です。マスコミの取り上げ方も違うし、そういう空気が県全体にできていたのを感じていました。ダービーだけは、勝ち点『6』じゃないですけど、勝てば勢いが出る。負ければ『0』ではなくマイナスという感じでしたね」

 両チームで出場して、感じたことがある。

 「ジュビロからエスパルスに行った時、サポーターが練習場に横断幕やのぼりを掲げていて、『狙うは磐田の首一つ』という文言があって驚きました。ジュビロにも当然、そういうものはありましたが、当時は成績を残していたこともあって、どちらかといえば『受けている』感じでした。清水に移籍してからは、自分が引っ張る立場になって、余計にそういうものが見えた部分もありました。衝撃はすごかったですね」