ジェフユナイテッド千葉DF近藤直也(33)が、1点を追う後半ロスタイム1分に同点ヘッドを決め、チームを敗戦の危機から救った。

 近藤は前線に上がると、途中出場のMFホルヘ・サリーナスがゴール前に上げた左クロスに飛び込んだ。相手守備陣との競り合いに力ずくで勝つと、強引に頭でねじ込んだ。ゴール後は、サリナスにパスを出してゴールの起点となった、新人MF高橋壱晟(18)らに祝福されて、ほえた。

 試合後、ゴールを振り返ってという記者の質問に「見たまま。振り返りようがない」と淡々と語った。チームを救う同点弾だったが、と聞かれると「勝たなきゃいけない試合。結果としては満足していない。最低限」と、喜びはなかった。

 それでも、2連敗で迎えたホーム戦で、あわや3連敗と追い込まれた土壇場で、主将自らゴールを決めて勝ち点1を死守した。「確かに(引き分けと負けは)だいぶ違うし、ほぼ後半、攻めている状況で相手がしっかり後ろで固めて点が取れなかった。崩したというより、ねじ込んだみたいなゴールですけど、あれで勝ち点を拾えたのは大きかった」と本音を吐露した。

 シュート数も13-12とデータは拮抗(きっこう)しているが、試合の多くの部分を支配した。数少ない決定的な場面を、確実に決められたことは否めない。近藤は「GKを含めて守備ラインの判断ミスがあり、シンプルに前に蹴ればいいところを、1つこねてボールを奪われてピンチを招くシーンが多い。正直、個人の問題。エスナイデル監督も言っているけれど、相手が前からきたらシンプルにやればいい。1失点目も、オフサイドだと思って止まってしまった。オフサイドかどうか分からない時、すぐ下がるところがある。徹底したい」と反省した。【村上幸将】