浦和レッズが済州(韓国)との激戦を制し、準々決勝から登場した08年以来の8強入りを果たした。前半18分、FW興梠のゴールで先制し、同34分にFW李の追加点で2-0。第1戦との2戦合計で同点として延長戦に突入。延長後半9分、DF森脇良太(31)が決勝点を挙げて2戦合計3-2で勝った。ACLのホームアンドアウェー方式で日本のクラブが2点差を逆転したのは初めて。試合後には両チームがもみ合い、乱闘騒ぎに発展した。浦和と川崎Fが進んだ準々決勝の組み合わせ抽選は6日に行われる。

 劇的な“決勝点”を奪ったのは森脇だった。延長後半9分、左サイドからFW高木が上げたクロスにゴール前に飛び込んで右足で決めた。喜びを爆発させながら、サポーターが陣取るゴール裏へ猛ダッシュ。チームメートにもみくちゃにされた。「どんな喜びにも代えることができない。僕の幼稚な発言でたくさん迷惑をかけてしまったけど(サポーターが)温かい言葉をくれた。何としてもここで終わるわけにはいかない。そういう思いで戦った」と、涙ながらに試合後のインタビューに答えた。

 5月4日のJ1鹿島戦の試合中に侮辱的な発言をしたとして、リーグ戦2試合の出場停止処分を受けた。まだリーグ戦には復帰していないが、1週間前の敵地での第1戦で公式戦に復帰していた。この日は復帰後、ホーム初登場だった。

 本職の守備でも無失点に抑え込んだ。前半に興梠と李が奪った2点のリードを守って大逆転に導いた。一時は自らの発言でチームに暗い影を落としかけたが、劇的なゴールで感慨に浸った。帰り際に「クラブに、サポーターに、家族に支えられていると感じた。少しは恩返しできたかな」と言い、ようやく笑顔を見せた。