清水エスパルスに新加入したブラジル人FWクリスラン(25)が23日、静岡市内で記者会見に臨んだ。ボルトガル1部ブラガからの期限付き移籍で加入。すでにチーム練習に合流しており、チームメートとの連係も深まっている。Jリーグ2年目、左利きのストライカーが清水を上位進出に導く。

 新ユニホームに身を包んだクリスランは、緊張した面持ちで登壇した。背番号は20。ユニホーム姿に「鏡で見て、似合っていると自分で思いました。この色で、活躍したい」と明かした。国内外の複数クラブからオファーを受けたが「日本が大好き。素晴らしい国」と清水への期限付き移籍を決断した。「昨年、清水は残留争いをしたけれど、本来はそんなクラブではない。今年は上を目指したい」と冷静に話した。

 Jリーグ2シーズン目での覚醒が期待される。久米一正GM(62)は「日本の文化に合う2年目は、さらに飛躍すると思う。左利きも、貴重な存在。エスパルスの救世主になってくれる」と話した。旧ユーゴスラビア代表で、現役時代に名古屋でも活躍したドラガン・ストイコビッチ氏(52)も、来日1シーズン目の94年は3得点だったが、2年目は15得点と大ブレーク。久米GMは「15得点くらい取ってくれたら」と見込んでいる。

 すでに15日のチーム始動から練習に参加しており、高い得点力をアピール。この日のミニゲームでは、左サイドバックのDF松原后(21)のクロスからヘディングでゴールネットを揺らした。ヤン・ヨンソン監督(57)も「戦術の理解度やフィジカル、ボールへの入り方、受け方など必要なものを備えている」と高く評価する。昨季、仙台では公式戦の清水戦で3得点と“清水キラー”だった。クリスランは「今年は、清水でたくさんゴールを取りたい。チームのために頑張ります」と笑顔を見せた。【保坂恭子】