昨季王者の川崎フロンターレが、MF中村憲剛(37)の1得点2アシストの活躍でジュビロ磐田との開幕戦に3-0で快勝し、公式戦の連敗を3で止めた。前半24分、MFエドゥアルド・ネットの縦パスに抜け出し、12年10月20日のG大阪戦以来、約5年半ぶりのヘディング弾を決めた。前半43分、同45分はセットプレーのキッカーで得点をアシストした。ACL出場チームで唯一、開幕白星を挙げ、連覇に向け好スタートを切った。

 中村が2年連続で開幕弾を決めた。前半24分。エドゥアルド・ネットと目があった瞬間、「パスが来る」と、ストライカーのごとく迷わず前へ飛び出した。「本当にいいボールが来た。相手も予想していなかったと思う」。12年以来6シーズンぶりに頭で決めて、自ら「珍しい形」と笑った。

 敵将の名波監督も「虚をつかれた感じ。ビューティフル」と脱帽した。昨季リーグ最少失点の磐田から貴重な先制点を挙げると、その後は正確な右クロスとFKで2点を演出した。

 今季の新ゴールパフォーマンス、お笑い芸人のバイク川崎バイクの「BKB、ヒィーーヤ」のポーズを早速披露した。昨季は大宮とのアウェー開幕戦でゴールを決め、サンシャイン池崎の「ジャスティス」を決めたが、埼玉エリアで放送するテレビ埼玉のカメラに向かってパフォーマンスしたため、DAZNの中継に流れなかった。今回はDAZNのカメラを確認して臨み、しっかり中継された。「去年の反省を生かしました。またこのポーズをできるように頑張りたい」と笑った。

 チームは今季、10日のC大阪との富士ゼロックス・スーパー杯、ACLの上海上港(中国)戦、蔚山(韓国)戦と3連敗中だった。攻守にエンジンがかからず、見えないプレッシャーもあった。だが「リーグ戦は別大会」と気持ちを切り替え、開幕戦に突入。決定的なピンチもあったが、全員で体を張り無失点に抑えた。攻守で課題は残りつつも、中村は「何より勝つことが一番大事だし薬。勝ちながら成長していければ」と自信を見せた。フロンターレの攻撃のエンジンが、ベテランの一撃で温まってきた。【岩田千代巳】