<J1:京都1-0札幌>◇第10節◇3日◇西京極

 京都はGK水谷雄一(27)が札幌を完封し、連敗を3で止める1-0勝利に貢献した。

 遅れてきた新守護神が、チームの窮地を救った。今季柏から移籍したGK水谷だ。前半20分にアタリバが先制弾。その後も札幌を圧倒し、シュートは5倍の20本を打ちながら追加点が奪えない展開にも、守備陣を統率して集中を切らさなかった。

 開幕2日前に左ひざを負傷して離脱した。ベンチ入り2試合目だった前節の磐田戦の試合当日、ミーティング前に突然先発を告げられた。「理由は言われなかったが、流れを変えたいんだと分かった」。だが前半3分に先制され、0-2で3連敗。「だから今日に懸ける気持ちは強かった。この結果は大きい」と勝利をかみしめた。

 トサカ風の金髪ヘアがトレードマークのGKが、照れくさそうに胸に秘めた思いを明かす。湘南時代、高卒2年目だった時の指揮官が、実は加藤監督だ。生意気盛りで、毎日のように監督と言い合いをしたという。それでも試合で起用してくれた。

 「人間としての部分も教わった。自分にとって本当に大きな存在。あれから成長したところを見せたい。湘南では力になれなかったんで」。水谷は恩返しの勝利をこれからも積み重ねていく。【西尾雅治】