<J1:名古屋1-0東京>◇第11節◇6日◇味スタ

 ピクシー名古屋が1-0で東京を下し連敗を3で止め2位に浮上した。前半17分に今季リーグ初先発したFW杉本恵太(25)が左足で先制ゴール。後半、東京の反撃に遭ったがGK楢崎正剛主将(32)がプレッシャーをかけPK失敗を誘発。さらに終了間際に超人的なセーブを連発し、虎の子の1点を守り切った。次節は10日、ホーム瑞穂陸に神戸を迎える。

 最後はGK楢崎がビッグセーブを連発し、勝ち点3を守り切った。終了のホイッスルとともに、ストイコビッチ監督は「イエース!!」と絶叫。勝利の雄たけびはメーンスタンドに届くほどのド迫力だった。4試合ぶりの勝利の味は格別。後半は相手の猛攻に耐え抜き、逃げ切った。ピクシーは「3連敗のあとの1勝。とても喜ばしいし、満足している。選手にも自信を与える結果だ」と喜んだ。

 虎の子の1点は杉本が奪った。MF小川の中央へのスルーパスに、右サイドから飛び出し、体をねじって左足で右スミに流し込んだ。疲労による股(こ)関節周囲の違和感で欠場したFW玉田の代役としてリーグ初先発。流通経大の先輩の相手GK塩田に見舞った一発。「先輩だったし、取りたかった」。5月3日は最愛の妻と二女の誕生日。この日は茨城の実家から珍しく両親も観戦に来ていた。「プレゼントになりますね」。家族思いの快足FWの大仕事だった。

 連敗阻止に指揮官は大きく動いた。右SBには不動のDF竹内ではなく、DFバヤリッツァを配置。CBにはDF増川を起用した。前線もFWヨンセンの1トップ。トップ下にMFマギヌン、2列目右にFW杉本、同左にMF小川という4-2-3-1でスタート。システム変更は吉と出た。4試合連続2失点とほころびをみせていた守備陣も5試合ぶりの完封で、本来のたくましさを思い出した。

 連敗とともに苦手だった大型連休の勝ちなしも10でストップ。4月末~5月初めの勝利は3年ぶりだった。ストイコビッチ監督は「よく走り、強い気持ちを示してくれた。守備陣のみんなには笑って(喜んで)ほしいし、勝利はすべての選手のパフォーマンスが良かったからだ」と選手をたたえた。ピクシー名古屋が息を吹き返した。【八反誠】