J2山形が、10日の水戸戦(NDスタ)で1カ月ぶりの複数得点を狙う。先月6日の熊本戦でFWリチェーリ(20)が2得点した後、攻撃陣に負傷者が相次ぎ、チームは6試合連続で1得点以下。この日の非公開練習ではイレブンがシュートの精度を高め、小林伸二監督(47)はFW長谷川悠(20)の居残り練習に付き合った。

 報道陣への非公開が解除された後の居残り練習。山形イレブンは、それぞれのポジションからミドルシュートを連発。ゴールネットを揺らし続けた。その後、小林監督は長谷川に付き添い、シュート技術を徹底指導。最近6試合連続フル出場ながら、1得点に終わっている長身FWに、自ら手本を示した。

 「今日は(先発する)10人でシュートを打つ練習をさせた。少し時間が長くなりました」。取材規制でコメントしなかった選手たちに代わり、小林監督が口を開いた。最近6試合で計3得点。守備陣の健闘で2勝1敗3分けでしのいでいるが、上位進出にはゴールラッシュが必要だ。

 そのためのキーマンが、FW陣で唯一、負傷がない長谷川。「軸足のポイントが違うから、ボールに力が乗らない。蹴る前に踏み込みを大きくさせて、ボールを飛ばすようにした」。元FW選手の指揮官がアドバイスを繰り返した。長谷川が先月末から苦しんでいた胃腸炎も、ようやく全快。リーグ最多23失点の最下位・水戸を相手に、マルチ得点が期待できそうだ。

 リーグ戦の全チームと対戦する第1クール終了まで、あと3試合。小林監督は「第1クールを3勝して終わりたい」と力を込めた。【柴田寛人】