J2仙台のFW中島裕希(23)が、31日のホーム湘南戦でベンチを外れる可能性が高まった。今季リーグ全15試合に先発している中島だが、2得点にとどまる上に現在、11試合連続ノーゴールと不振を極めている。手倉森誠監督(40)は29日の練習後、中島を先発から外すことを明言。さらにベンチ外さえも示唆した。エースと期待された中島の復活を、ショック療法を施して待つ。

 指定席ともいえるツートップの左に、中島の姿がない。この日の紅白戦で、主力組は「平瀬―田中」のコンビ。中島はサブ組にすら入らず、隣接するハーフコートで、FW鈴木ら若手とシュート練習を課せられていた。途中から田中に代わってゲームに入ったが、短時間プレーしただけでMF西山と交代した。

 15試合でわずか2得点。3月23日のC大阪戦以来、11試合ゴールから遠ざかっている。手倉森監督は「使い続けたけど、結果が出ていない。基本的にスタメンを外す方向で考えている」と明言。続けて「中原も木谷も岡山も1回チームを外から見て、いい状態になっている」と説明した。前線からの守備などを評価して起用し続けてきたが、我慢も限界のようだ。ベンチからも外すか、という質問に「可能性はある。それによって選手が競争意識を持ってくれれば」と話した。

 もちろん、スランプを痛感している中島本人も、スタメン落ちは覚悟の上だ。「考えすぎもダメだけど、早く1点取りたい…。やっぱりFWの役割をしっかりこなしたい。もう落ちるところまで落ちたので、やるだけです」。指揮官のショック療法が吉と出るか、エースの再生に注目だ。【山崎安昭】