古巣の本拠地で恩返しのゴールを決める!

 J2山形FW北村知隆(26)は29日、31日の横浜FC戦(ニッパツ)に向けた紅白戦で先発組に入った。横浜FCには01年から在籍したが、06年のシーズン後に戦力外通告。昨年、山形に移籍した北村にとって古巣本拠地で初の試合となる。前節熊本戦で2得点した勢いを持続し、古巣を見返すゴールを突き刺すつもりだ。

 小雨の中、行われた紅白戦。北村は、前線の空いたスペースを探して走り続けた。今季は守備力を評価され右MFに回っていたが、この日は先発2トップの一角に入った。プロ入り以来FW一筋で、J2通算25得点。前節の今季初得点で、FWの嗅覚(きゅうかく)を取り戻した。

 横浜FCでの6年間、J2で戦い続けた。汗と涙を共有し、06年のJ2優勝に貢献したが、翌年のJ1昇格を前に戦力外通告を受けた。「ずっと横浜でプレーしてもいいな…と思っていた。思い入れはありますけど、今は山形でプレーしていますので」と北村は多くを語らなかった。

 ただ「古巣本拠地」での一戦には力が入るようだ。右MFで先発した先月12日のホーム戦に続く、今季2度目の横浜FC戦。「三ツ沢(ニッパツ)での試合ですから山形でやるのとは違う。移籍させなきゃ良かったな、と思わせるプレーを見せたい」と力を込めた。

 横浜FCでは、カズや城彰二ら元日本代表とチームメートだった。「カズさんはプロ意識が高い。手本にしています。城さんには、公私でよく面倒を見てもらいました」。懐かしさや愛着が残る古巣を相手に、2試合連続ゴールで自らの成長を証明するつもりだ。【柴田寛人】