<J1:G大阪1-0京都>◇第11節◇25日◇万博

 ゴールのにおいを感じたG大阪MF遠藤が一気にギアを上げた。後半9分、ルーカスからのパス。ゴール前にスペースを見つけると、猛然とダッシュし、左足で流し込んだ。「トラップがよかったので、冷静に決められた」と振り返った。

 U-23(23歳以下)日本代表の反町監督が試合を視察。そこで五輪代表にオーバーエージ(OA)枠で遠藤を選出すると明言した。「五輪に行くことになればチームに迷惑をかけることになる。いる間は貢献したい」と遠藤。快く送り出してくれるクラブへの恩返しへの思いが、この日の1発に詰まっていた。

 G大阪とA代表を合わせ、今季公式戦30試合目だった。通算出場時間2540分は、国内で最も多い。代表、クラブとのフル稼働ながら、1カ月以上の中断が明けたチームを快勝に導いた。首位浦和との勝ち点差を4に縮めたチームは5位に浮上。「連戦になるけど、もっと勝ち続けたい」と遠藤。五輪代表の活動が本格化する7月下旬まで、G大阪の公式戦は6試合ある。全勝で北京に旅立つため、「鉄人遠藤」は走り続ける。【北村泰彦】