北京五輪代表候補の山形FW豊田陽平(23)が、85日ぶりに実戦復帰する。4月6日熊本戦で骨折した右足が回復し、30日の練習試合(対JAPANサッカーカレッジ)出場が決まった。反町ジャパンの秘密兵器が、来月のリーグ戦復帰に向けて試運転する。

 リーグ屈指の「動ける大型FW」が、ピッチで躍動した。豊田は控え組中心のミニゲームで軽快な動きを見せ、シュートを連発。右足腓骨(ひこつ)骨折の影響を感じさせなかった。「最近1週間ぐらいは痛みがない。いい準備ができている」。負傷後は全治2カ月と診断されたが、痛みが引かず、リーグ戦復帰が遅れていた。「試合出場のチャンスがあれば、頑張りたい」と力を込めた。

 明日29日のホーム広島戦にも出場できる体調だが、大事を取って、練習試合で実戦感覚を取り戻すことになった。小林監督は「リーグ戦では(ケガが)怖くて使えない。30日の練習試合で使って、7月ですね。ここまで我慢したんだから」と話し、練習試合出場を明言した。昨夏も小腸破裂で2カ月の戦列離脱を強いられており、今季後半戦にケガなく出場を続けることが最優先課題だ。

 来月のリーグ戦で得点を量産すれば、8月の北京五輪出場に間に合う可能性もある。「五輪に関しては分からない。まったく試合に出てないし、何も言えない」と、代表復帰への意欲はひとまず封印した。今季2位と好調のチームにゴールで貢献し、五輪代表の反町監督へアピールするつもりだ。【柴田寛人】