<J1:磐田2-1大宮>◇第16節◇12日◇NACK

 磐田が今季初の強力トライアングルそろい踏みで、2-1で大宮に勝利した。56日ぶりに先発復帰したFW前田遼一(26)のアシストからFWカレン・ロバート(23)、FWジウシーニョ(24)が相次いで得点。暫定13位に浮上した。

 帰ってきたエースが、攻撃を循環させた。前半9分に左足でチーム最初のシュートを放った、その1分後。MF村井からのロングパスに、大宮DF陣より1歩速い動きだしで反応した。フリー。シュート動作に入ろうとした瞬間に「カレンがいい位置にいたのが見えた」。冷静に頭で落としたボールが先制弾に結びついた。後半7分にも、飛び出したジウシーニョへ2点目をアシスト。今季5試合目の出場で、待望の初勝利に「これで点が取れたらもっと良かった」と笑った。

 抜群のコンビネーションだった。昨年11月24日大分戦以来、231日ぶりに先発で組んだ前田とカレン。ここにトップ下のジウシーニョが絡んで好リズムを生んだ。前線でタメをつくった前田こそシュートは1本だったが、残る2人で計7本。「3人が良い距離感でできた」と前田が言えば、2試合連続弾のカレンも「前田さんが入って動きやすくなった」と喜んだ。

 終盤、大宮のパワープレーに押されたが、しのいでもぎ取った勝利。「この勝利の意味は大きいけど、次が大事になってくる。次もしっかり勝ちたい」。エースの完全復活で、磐田が勢いを得た。【今村健人】