ピクシー名古屋は強運!?

 ドラガン・ストイコビッチ監督(43)率いる名古屋が現在リーグ約1/3を消化し3位と悲願の初制覇を狙える好位置につけている。第21節まで消化し、首位浦和から12位新潟までが勝ち点差10以内にひしめく大混戦にも乗じ、23日鹿島戦(カシマ)では首位浮上を狙う。すでに7敗を喫するなど、3位としては意外に負け数も多いが、不思議なパワー?

 も味方につけてVを狙う。

 『運も実力のうち』というが、確かに流れは名古屋にあるような気がしてくる。

 今季のJ1は名古屋が負けると、上位もコケる-こんな不思議な現象が続いている。

 リーグ序盤に3節守った(第6~8節)首位から転落したのが第9節。以降、5敗を喫しているにもかかわらず、現在首位鹿島と勝ち点2差の3位。首位陥落後に名古屋が5敗を喫した節での前節首位チーム勝敗を調べると、何と1勝1分け3敗。J1は“ピクシー名古屋にお付き合い”といった状況ができあがっているのかもしれない?。

 その傾向は正念場の夏場になって際だっている。第17節は名古屋が磐田に1-2で逆転負け。前節首位の鹿島も京都に敗れた。この1敗、鹿島にとってリーグ6試合ぶりの黒星だった。第20節東京戦はまさかの平山弾で不覚を取った。すると前節首位の鹿島が何と最下位千葉に完敗。同2位浦和まで柏とドローと足踏みした。

 当事者の選手たちも、この不思議な現象に気付いている模様。16日神戸戦後、劇的ロスタイム弾を決めたMF小川は「ボクらが勝つとみんな勝って、負けるとみんな負けるから、差が詰まらない」と嘆いていたが、差が開いていないというのもまた事実。クラブ関係者も「運というか、不思議な力があるような気が…。ミスター(監督)の力なのか」と、ピクシーの魔法といわんばかりだ。

 1ステージ制が定着した05年以降4年間の折り返し(第17節終了時)での首位チームの勝ち点を比較すると05年鹿島=36、06年浦和=36、07年G大阪=38、08年浦和=32と首位チームが勝ち点を伸ばせていないことからも、J1は混戦模様であることが分かる。運にも乗じ、いざ悲願のリーグ制覇へ-首位鹿島と直接対決となる今節はドロー以外に“お付き合い”は期待できない。未勝利の鬼門・カシマでの歴史的勝利で、悲願成就に前進したいところだ。