<J2:山形1-1甲府>◇第32節◇23日◇NDスタ

 2位山形の期待の2トップに、J1昇格切符を手にするための「宿題」が出された。甲府戦でFW豊田陽平(23)と長谷川悠(21)が4試合、35日ぶりに先発2トップを組んだが、ともに無得点。チームはオウンゴールのみの1-1で、連勝は4でストップした。試合後、小林監督は「今のままでは厳しい」と、北京五輪の得点者とチーム得点王の、ともに185センチ以上のコンビに、今後の課題を与えた。

 絶好調の2人が、かみ合わなかった。豊田と長谷川がゴール前に迫っても、決定的なパスが通らない。後半44分、豊田のヘディングシュートは枠外に外れた。結局、長谷川は90分間で1本もシュートを打てずじまい。小林監督は「今後のことを考えると、今日の2トップでは厳しい」と修正を加えていく意向を示した。

 ボールが収まるポスト的な役(長谷川)と、スペースに走る者(豊田)。2トップに別々に与えられる役割が、あいまいになっていた。豊田は「2人が、もう少し近くでプレーしたかった。今日は相手の裏を突くという戦術があったのでタイミングが難しかった」と振り返った。長谷川は「僕が足元で受けて、豊田君がスペースに流れればいい」と修正点を挙げた。

 ただ、オウンゴールの場面も、豊田が甲府DF秋本と競り合い、バランスを崩したことで生まれた。守備面でも2人は相手のボランチをマークするなど、貢献度は高い。1カ月以上のブランクがあっての先発2トップと、致し方ない面もある。小林監督は「2人の特徴とか、コンビネーションを考えて役割を決めたい」と今後を見据えた。

 連勝は4で止まったが、下を向く必要はない。最近5試合は4勝1分けで勝ち点を着実に積み上げ、自動昇格圏の2位をキープ。開幕から30試合を終えたが、90分以内での16勝は山形ではクラブ史上最多だ。「プレスの厳しいチームを相手に勝ち点1を取った。前を向きたい」と小林監督。試合後、サポーターから「横浜に勝って来いよ!」とエールが響いた。チームも地元ファンも、次節横浜FC戦(ニッパ球)に気持ちを切り替えていた。【柴田寛人】