マルキ、覚悟!

 清水GK山本海人(23)は26日、28日の鹿島戦(カシマ)に向けた完全非公開練習後、現在5戦連発中で元清水の鹿島FWマルキーニョス(32)封じへ意欲を見せた。現在得点ランクトップの元同僚を抑えて今季初の4連勝を飾り、成長ぶりを見せる。

 鹿島戦へ向け、闘志がみなぎっていた。この日の練習終了後から約3時間後、山本海がようやく帰路に就いた。「マッサージと治療をしていました。全身です。連戦でずっと戦っていなかった分、ペース配分は難しいなって実感している。気持ちと若さで乗り越えようとは思っていますけどね」。チャンスを生かそうとがむしゃらで駆け抜けてきた疲労を取るため、約2時間半をケアにあてて鹿島戦に備えた。

 05年途中から清水に1年半在籍したマルキーニョスとの対戦が、山本海の心をさらに駆り立てている。現在得点ランク1位(17得点)で5戦連発中のマルキーニョスのシュートは、清水時代に何本も受けてきた。「シュートが重くて、ひじや手首を持っていかれることもありましたね」。当時はリーグ戦での出場経験もなく「まだまだだな」とジョークでいじられることもあったという。

 だが、今は違う。リーグ戦で3試合連続で先発し、2連続完封で今季初の3連勝に貢献。クロス対応とフィードで長所を発揮し、長谷川監督も「普段通り、きちっとやってくれればいい」と信頼感を口にした。山本海も「自分がどれくらい通用するか楽しみ。『上達したな』と思われるよう、見返す気持ちで戦いたい」と闘志を燃やした。

 3連続完封勝利がかかるが「気持ちは変わらない。勝てていることの方が大きい」と、個人の記録よりチームの勝利を望んだ山本海。「長く勝ち続けたいし、負けないチームだと見せていきたい」。今季初の4連勝を完封で飾ることしか、頭にない。【浜本卓也】