5日のホーム福岡戦に引き分けでも2位に再浮上するJ2山形が「個性派軍団」に脱皮して終盤戦に挑む。山形は4日、非公開練習でセットプレーの動き方を確認した。前節は休みのためリーグ戦は9月23日の鳥栖戦以来、中11日。万全の体調で今季残り7試合に臨む。小林監督は「昇格の可能性がある中で試合ができるのは、うれしい。幸せに思わないとね」と余裕を見せた。

 9月の4試合で2敗2分けと低迷し、前節には2位から3位に後退。福岡戦で5試合ぶりの白星を奪いたいところだが、指揮官は目先の結果より気になることがあった。「先取点を取るとか守備をしっかりとか、そういう話の前に選手個人を見たい」。今季残り2カ月で、個人技術の向上は望めない。それなら、個々の得意なプレーをできるだけ多く引き出したい。「選手の得意分野に火が付くと、うまくいく。試合中にいいところを出してほしい」と、あえて個性的なプレーを歓迎する意向を示した。

 福岡戦では、FW長谷川とMF秋葉が累積警告で欠場。先発2トップは豊田と財前が組む予定だ。小林監督は「豊田はプレーの激しさ、財前は足元に収まるのがいいところ。2人とも絡んだ動きを見せてくれると思う」と期待した。【柴田寛人】◆土曜初の非公開

 今季初めて土曜日に非公開練習が行われた。これまでは平日に行われ、ファンが多く訪れる週末には練習を公開してきた。J1昇格のかかる大詰めとあり、ファンサービスの封印もやむを得ないところ。もっともこの日は、隣接するグラウンドで高校生の大会が行われ、参加した選手からは非公開練習が丸見え。小林監督は「高校生に『あっち向け』とは言えないしねえ」と苦笑いしていた。