<全日本ユース選手権:浦和ユース9-1名古屋ユース>◇決勝◇13日◇埼玉

 浦和ユースが名古屋ユースを9-1の大差で下し、初優勝した。MF山田直輝(18)が前半4分の先制弾を口火にハットトリックを達成し、通算8得点で大会得点王に。MF高橋峻希(18)は2得点1アシスト、FW原口元気(17)も1得点2アシストと、今季J公式戦デビューを果たした3人が計6得点の活躍で大勝に導いた。J王座奪回を狙うトップよりひと足先に、日本一を成し遂げた。

 浦和の弟分が埼玉スタジアムで大暴れした。4月26日京都戦の途中出場でJデビュー済みのMF山田が前半4分、約19メートルのミドル弾で先制。後半27分に堀孝史監督(41)の指示でボランチからFWに移ると同31分に2点目、ロスタイムにはジャンピングボレー弾を決めた。豪快なゴール連発で得点王に輝き「みんながボールを集めてくれた」とチームメートに感謝した。

 来季、この日2得点を奪ったMF高橋とともにトップに昇格する。既に2人は今年4月から通信制高校に編入し、トップ練習に参加。高橋もナビスコ杯3戦に出場し、6月8日同杯名古屋戦では先発フル出場、1歳下の原口も5月25日同杯名古屋戦で途中出場した。山田は「トップを経験し、みんなが緊張した時に声を掛けられるようになった」と振り返る。高橋は右内転筋痛、腰痛に悩まされても戦い抜くタフさもみせた。

 山田、高橋はジュニア育成を目的に、中村強化本部長らが03年に設立した浦和アカデミー第1期生だ。6年間で培った連係でダイレクトパスをつなぎ、大量得点で約1万5000人の観客を沸かせた。原口を含めて3人は15日からトップ練習に再合流する。

 藤口社長は「トップの刺激になる」と、J王座奪回を狙うトップの起爆剤として期待していた。【藤中栄二】