パワーを増したジェット気流でJ1初タイトルをつかむ。1日、ナビスコ杯決勝に挑む大分を、航空会社も「アシスト」した。試合当日早朝の大分発羽田行きの全日空便が、通常より100席以上も客席が多い機材に大型化された。「Jリーグさんからも働きかけてもらったようです。本当にありがたいことですね」とクラブ関係者。決勝進出決定後に浮上したチャーター便は実現できなかったが、地元でのチケット売れ行きなどから、大分から推定1万人を超えるサポーターが乗り込むと見られる。

 94年のクラブ創設以来、初登場の聖地を大分サポーターが「ホーム」と化す。通常の大分-羽田便は決勝進出が決まった直後の数日でほぼ完売。福岡発の航空機、大分から関西へのフェリーとJRを乗り継ぐツアーも売り出され、大分の後援会が企画した車中泊2回の0泊3日の弾丸バスツアーにも約60人が応募。「陸・海・空」の手段でサポーターがかけつける。

 選手にとっては心強い援軍だ。今季リーグ戦を含むホームゲーム(鹿児島開催1試合を含む)19試合で14勝1敗4分け。シャムスカ監督も「我々の力だけではない」と、サポーターの力を感じ取っているホームの雰囲気で試合に臨める。

 試合当日はホームで使用する青色の1stユニホームを着用。ベンチもスタンドも国立の通常のホーム側に陣取る。さらに、ホーム試合と同様にアップ前のサインボールプレゼントも普段と変わらずに行う。初優勝へプレッシャーのかかる大一番だが「普段と何も変わらないようにするだけです」と山本潮マネジャー(36)。チームはこの日、都内で1時間の最終調整を行った。メンバー外全選手も朝6時に大分をバスでたち、福岡からの航空機で東京に乗り込む。チーム、サポーターの力を結集する“ホーム国立”で大分が頂点に立つ。【村田義治】