<J1:磐田1-0清水>◇第31節◇8日◇静岡

 困ったときにはヨシカツがいる!

 磐田GK川口能活(33)が清水を完封し、残留争いに苦しむチームを救った。先制した直後の後半3分、右CKからの清水FW岡崎のヘディングシュートに、右手を懸命に伸ばして触り、防いだ。3バック中2人が前節から代わった急造DFを統率し、これで最近5試合で4度目の無失点。「みんなが頑張ってくれたおかげで、僕は何もすることなくゼロに抑えられました」と笑った。

 GK楢崎がケガで代表を辞退、横浜DF中沢も負傷と、岡田ジャパン守備陣は苦境を迎えた。だからこそ川口の存在が頼もしく映る。04年アジア杯では、正GKだった楢崎の左ひざ負傷で出番が来ると、好セーブを連発。準々決勝ヨルダン戦ではPK戦で計4本を止めて優勝にまで導いた経験がある。「出るかどうか分からないけど、やることは変わらない。100%ベストを尽くす」。

 3月のW杯アジア3次予選バーレーン戦の失点で正GKの座を奪われて、7カ月あまり。リーグ戦中断明けの6月28日横浜戦から「原点に戻ろうと思って」スパイクの色を白から高校以来という黒に変えてきた。代表で控えに甘んじても腐らず、裏方に回って味方を鼓舞し続けてきた。そんな川口に、再び代表を救う番が来たようだ。【今村健人】