<J1:大分0-0千葉>◇第31節◇9日◇九石ド

 逆転2冠へ、手痛い引き分けだ。ナビスコ杯王者の大分が、過去リーグ戦10敗1分けと苦手にしていた17位千葉とスコアレスドロー。この日、引き分けた首位鹿島との勝ち点2差を詰めることができなかった。残り3試合で4位からの逆転優勝を狙うが、優勝戦線を占う次節鹿島戦(23日・九石ド)からMFホベルト(29)を2試合出場停止で欠く重荷も背負った。

 4分のロスタイムが終わり、大分イレブンは相手ゴール前でひざまずき、倒れ込んだ。攻めても攻めても勝ち点3を奪えなかった。「勝たなければいけなかった。DFがみんな頑張っていた。後は点を取るだけだった…」。7カ月ぶりに九石ドームで先発したFW高松主将は、拙攻を嘆いた。

 逆転優勝への課題を露呈した。スピードに乗る千葉の攻撃をリーグ一の堅守で食い止めたが、その粘りにシュート14本も放った攻撃陣が応えられなかった。「チャンスはあったが、結果に結びつけられなかった」とシャムスカ監督。後半42分、MF金崎のクロスに飛び込んだFWウェズレイの足をボールがかすめ、MF高橋のシュート気味の折り返しも、最後にゴール前に詰めたMFエジミウソンのヘッドも不発に終わった。

 またも1点が奪えず勝ち点2を失った。MFホベルトを累積警告で2試合欠くことにもなったが、首位鹿島も引き分けてくれた。今季2番目に多かった2万3517人のサポーターに「(2冠を)期待されているのが分かった。選手もチャレンジャー精神というスタンスは変わらず、最後までチームのために動き回っていた。もう1度、あの歓喜を味わうために頑張りたい」とMF高橋。逆転2冠への大一番となる次戦鹿島戦では、日本一の自信を胸に逆境をはね返す。【村田義治】