<天皇杯:名古屋2-1大宮>◇5回戦◇15日◇NACK

 ピクシー名古屋が天皇杯で8強入りを決めた。アウェーNACKで大宮と対戦しエースFWフローデ・ヨンセン(34)の2得点で2-1で下して順当に勝ち上がった。9年ぶり3度目の同杯制覇に向けまずは、6年ぶりの8強入り。悲願初制覇のかかるリーグ残り3試合に向け勢いをつけた。なお、準々決勝は12月20日か25日に行われ、対戦相手は26日に決定する。

 順当に勝ち上がった。2日の初戦(4回戦)はJ2岐阜に大苦戦したが、この日はJ1で降格争いする大宮に、同じ舞台で優勝争いしている力の差を証明するように、しっかり勝った。

 逆転負けした8日のリーグ柏戦(柏)に続いて観戦に訪れたオシム前日本代表監督も「内容の良いプレーをした方が勝った。名古屋がリーグで上位で競り合っているのは偶然ではないということです」と「合格点」をつけた。

 旧ユーゴスラビア代表でオシム氏に師事したストイコビッチ監督も会見の最後に、自ら語りだし「監督として内容には満足している。我々がキチンと美しいサッカーをできると証明できた」と納得の表情を浮かべた。

 FW玉田を日本代表で欠き、並びは玉田不在時に多用する「4-2-3-1」でスタート。ケガで欠場した守護神・楢崎に代わり、ベテランMF藤田がトップ下に入り、キャプテンマークを巻いた。前半6分には最終ラインからDF吉田が送った低く長いパスに藤田が鋭く飛び出し好機をつくり出した。MFマギヌンとDF阿部の好連係、右サイドバックのDF竹内の積極果敢な攻め上がりなど名古屋の良さがよみがえった。

 2得点は9月20日リーグ新潟戦(瑞穂陸)以来、実に約2カ月、公式戦8試合ぶり。その新潟戦後、リーグでは6戦勝ちナシと決定力不足から急ブレーキがかかったが、勝負を決するリーグ残り3試合に向け明るい材料を手にした。DF阿部も「勝ちという形で次につなげられた」。リーグも天皇杯も、ともにVまで残り3試合。2冠を手にできる権利を持ってラストスパートに入る。【八反誠】