<全国地域サッカーリーグ決勝大会:ホンダロック2-1沖縄かりゆし>◇24日◇1次ラウンド最終日◇北九州市・本城陸上競技場ほか ホンダロックが3季ぶりのJFL復帰へ、決勝ラウンド(R)進出を決めた。ホンダロックは90分勝ち、沖縄ゆりかしは2点差以上の勝利が1位通過の条件となった最終線で、九州(KYUリーグ)王者を2-1で破った。グループBはV・ファーレン長崎(九州)が3連勝で、グループCはレノファ山口(中国)がPK勝ちで通過。決勝R(28~30日、沖縄・石垣島)は九州、山口勢と町田ゼルビア(関東)の4チームで行われる。

 何度も勝ちに見放されたホンダロックが、最後に勝利の女神を振り向かせた。「ミラクルですね。技術よりも団結力で勝負する、うちらしい試合だった」。シュート24本を浴びながら1失点のGK川島正士(26)は、強運を感じずにはいられなかった。KYUリーグ最終日に、出場権のある2位から3位に転落。原則2チームの全国社会人選手権(10月)枠を狙ったが、結果は3位。優勝の長野パルセイロが北信越枠を使い、準優勝チームは出場しなかったため「たなぼた」で出場した今大会。1次ラウンドの4グループ中、PK戦が最多(6試合中3試合)の「死の組」を突破した。川島はPK負けした長野パルセイロとの初戦(22日)で、右ふくらはぎをスパイクされ、後半2分で交代。救急車で病院に搬送され、まだ内出血は消えていない。それでも、翌23日のバンディオンセ加古川(関西)戦に復帰して無失点に抑え、PK勝ちを呼び込んでグループ2位に浮上した。主将のMF南光太(29)は「リーグ3位のチームが決勝Rに行けるのは運もあるが、PKでも勝ち点を積み上げてきたから」と、コツコツ進出に胸を張った。

 社員選手だけのホンダロックにとって、アマ最高峰のJFLは「Jへのステップ」でなく、究極の目標だ。06年まで2シーズン、JFLを経験した南は「KYUリーグで、プロのいる沖縄や長崎と対戦しても、元JFLの意地で負けられなかった。もう1度、あの舞台に戻りたい」と話した。福田浩一監督(39)は「大会前に平日の練習試合を許可してくれた会社のためにも勝とうと、全員、意思統一ができている。チャンスを生かし続けたい」と、逆転進出の勢いを石垣島へ持ち込むつもりだ。【佐藤千晶】