柏が、東京Vコーチの高木琢也(41)と、OBで元韓国代表DF洪明甫(ホン・ミョンボ=39)氏を来季監督としてリストアップしたことが27日、分かった。同日、石崎信弘監督(50)が今季限りで退任すると発表した。あくまでも後任の本命は高木氏で、洪氏は対抗馬となる。06年にJ2横浜FCを就任1年で昇格させた高木氏と、主将として韓国をW杯4強(02年)に導いた洪氏と並行して交渉し、12月初旬には正式決定する予定だ。

 柏が監督の世代交代に着手する。この日、来季まで契約を残す石崎監督に事実上の解雇通告をした。解雇理由は「強化部との強化方針の違い」だった。来季年俸分(推定4500万円)の違約金を払ってまで招聘(しょうへい)したいのは40歳前後の若手監督。攻撃サッカーを目指す高木氏を本命とし、99年から3年間在籍した洪氏も並行して交渉する。

 柏幹部は「来季はフランサ中心のチームをつくりたい。石崎監督とはそこにずれがあった。それに同調してくれる人を監督として選びたい」と話した。高木氏にはまだ正式オファーは出していないが、同氏がフランサ中心のサッカーに興味を示していることはリサーチ済みだ。さらに同氏が「来年はJ1で監督をやりたい」と強く希望していることも、周辺情報から確認している。

 一方、洪氏は05年に韓国代表コーチに就任し、北京五輪でもコーチを務め、現在は就職活動中だ。周囲には「日本は組織がしっかりしているし、Jで経験を積みたい」と漏らしている。同国代表主将として02年W杯日韓大会4強入りに貢献し、99年には柏で主将としてナビスコ杯優勝するなど、リーダーシップにもたけている。

 高木氏は、東京Vが残留争いをしていることや、入れ替え戦に出場した場合、交渉が遅れることがネックとなる。交渉が遅れると、来季に向けての選手補強にも影響が出るからだ。洪氏の場合、高額とされる年俸(推定7000万円)が契約の支障になる可能性がある。両者とも交渉が決裂した場合は、前川崎F監督の関塚隆氏(48)の招聘(しょうへい)と高橋真一郎ヘッドコーチ(51)が候補になりそうだ。