コンサドーレ札幌の石崎信弘新監督(50)が1年でのJ1復帰を宣言した。G大阪に敗れた元日の天皇杯決勝を最後に、3年間指揮した柏を離れた。札幌からは3年契約を提示されたが「1年でJ1に上げることを目標にやっていかないといけない」と退路を断って単年契約で臨む。柏を含めJ1、J2の5チームを率いた経験から、スタミナ勝負の「走り負けないサッカー」を掲げ、21日スタートのグアムキャンプから始動する。

 タイトルを奪えなかったショックは引きずらず-。石崎新監督は、柏でのラスト采配となった元旦のG大阪との天皇杯決勝を0-1の惜敗で終えると、すぐに新天地へと気持ちを切り替えた。

 石崎監督

 (札幌からは)3年(契約)と言われたが、自分の希望で単年にした。1年でJ1に上げることを目標にやっていかないといけない。

 退路を断った。クラブからは複数年契約を提示され、中期的なプランでのチーム強化を託された。だが、1年でのJ1復帰にこだわった。甘えを許さず、結果を求める強い意志の表れだった。

 石崎監督

 知っているのはクライトンぐらい。(昨季)4試合(札幌と)試合をしたが、メンバーは変わっている。今いる選手でやるしかない。レイソルでつくってきた走り負けず、のびのびした楽しく走るサッカーをやりたい。

 06年から3年間指揮した柏のサッカーがベースになる。J2だった06年にJ1昇格を果たすと、07年は8位、08年は天皇杯準優勝へとチームをステップアップさせた。掲げるのは、スタミナ勝負の「走り負けないサッカー」。豊富な運動量を生かしたプレスで、相手の攻め手を封じる一丸サッカーが特徴だ。札幌でも徹底した走り込みを選手に課し、長丁場51試合のJ2を戦い抜くチームをつくり上げる。

 石崎監督

 まずは守りから入る。(自分の目指すサッカーは)攻撃的に見えるけど、守りが充実しないとできない。守りを重要視したい。

 札幌は昨季J1でリーグ最多の70失点と守りが破たん、J2降格の大きな原因になった。守備を立て直すためにも、走り負けないフィジカルが必要になる。石崎新体制下のチームは、21日からのグアム合宿で始動する。「(同地で合宿する)レイソルには練習試合の相手をお願いしてある。J2でお願いする立場ですから」。昨季、最も遅くまで戦ったチームを率いたハンディを感じているひまはない。頭の中には札幌での新たな挑戦へのプランだけがある。