<J2:岡山1-1札幌>◇第5節◇29日◇岡山

 勝ち点3が遠い。コンサドーレ札幌はアウェーで岡山と対戦し、1-1で引き分けた。前半21分、MF上里一将(23)のリーグ戦3年ぶりとなるゴールで先制。その後も押し気味に試合を進めたが追加点を奪えず、後半23分に追い付かれた。開幕から5戦連続失点と守り切れず、JFLから新規参入してきた“格下”相手に痛いドローを喫し、3試合連続で白星を奪えなかった。

 試合後の石崎信弘監督(51)の言葉が、すべてを物語っていた。1-1という結果に「前向きに考えれば勝ち点1取れた。マイナスに考えれば勝ち点2損したかなと。ただ、2点損した方の印象が強い」と厳しい表情をみせた。アウェーで負けなかったとはいえ、今季からJ2に昇格した相手と引き分けという結果に、満足できるはずなどなかった。

 前半は理想的な展開に持ち込んだ。序盤から好機をつくり、前半21分、上里がGKの頭上を越える強烈なミドルシュートを放ち、先制点を奪った。その後も決定機は訪れたが、追加点が取れない。「次の1点がポイントになるとハーフタイムに選手を送り出したが、決めきれないうちに相手にリズムをつくられた」。指揮官の予感通り、後半23分に追い付かれ、連敗こそ2で止めたが、3戦ぶりの勝ち星は逃した。

 開幕から5戦し、無失点の試合はない。MFクライトンは「1-0で終わらなきゃいけない試合。毎試合失点すると苦しくなる。もっと集中力を高めないと」と漏らす。開幕から5戦連続での失点は、クラブ発足の96年、J2で5位に終わった99年、同6位の05年、J1最下位の昨季と、不本意な結果に終わっている。数字上は守り切ることが勝利につながっていくのは確かだ。ただ得点できない時間が長引けば、後ろもこらえ切れなくなる確率は当然高くなる。チームの意思を1つにするしか、勝利への近道はない。

 5戦を終えて勝ち点は4。石崎監督は「大変苦しい状況」としながらも「次1週間あるので立て直したい」と言った。クライトンも「攻撃の形はできている。それは大事なこと」と飛躍への手掛かりはつかんでいる。長いシーズン、巻き返せる時間はまだたっぷり残っている。

 【砂田秀人】