<J1:名古屋2-1柏>◇第6節◇18日◇柏

 ダビが決めれば勝つ!

 名古屋がFWダビ(25)の2得点で柏に2-1で競り勝ち、リーグ連敗を2で止めた。ダビは前半31分に先制ゴールを奪うと、後半同点とされドロー濃厚のロスタイムにも、こぼれ球を蹴り込み劇的な決勝ゴール。これでアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も含め今季ダビがゴールを決めた公式戦は4戦4勝。公式戦3試合未勝利と苦しんだチームを、頼れる助っ人が救った。

 時計はすでに後半「47分」をさしていた。名古屋が最後の力を振りしぼって猛攻を仕掛けると、DFに当たったボールが中央で待つダビの目の前にこぼれてきた。貪欲(どんよく)にシュートを打ち続けたストライカーへのご褒美だったのか。「最後まであきらめない気持ちがゴールにつながったんだと思う」。頼れる助っ人が“ラストチャンス”で勝ち点3に直結するゴールをねじ込んだ。

 終了間際の劇的な決勝弾は、ひとりでこの日なんと7本目のシュートだった。あくなきゴールへの欲求で自らの必勝神話を守った。ダビが決めれば勝つ-今季加入したダビが得点した公式戦は4戦4勝。その4勝が、ここまでの名古屋の全勝利でもある。すでにインプット済みのこのデータについて聞かれると、シャイなブラジル人は少しだけ自慢げにほほ笑んだ。

 ダビ

 自分がゴールを決めてチームが勝つ、というのは素晴らしいこと。ぜひこれからもこの形を続けていけたらいいと思う。

 苦しんでいたチームを救う大きな大きな2得点だった。リーグは2連敗中。前節を終え、順位はストイコビッチ政権下で最悪の10位まで下降していた。ACLも含めると公式戦ここ3試合勝利から遠ざかっていた。さらにFW玉田が右足首ねんざで離脱の大ピンチ。柏戦に向けた1週間はピリピリムードが漂った。

 玉田不在で布陣は通常の「4-4-2」から「4-1-4-1」にシフト。いつもの相棒不在で、ダビは名古屋加入後初めての1トップを任せられた。最前線で体を張って、チームをけん引した。ダビ必勝神話はチームにも浸透。何度も巧みなボールさばきで攻撃の起点となったDF阿部は「ずっと決めてもらわないといけませんね」と笑った。ダビ様、仏様--この必勝神話は、どこまで続くのだろうか。【八反誠】