<J2:横浜FC1-0水戸>◇第9節◇19日◇笠松

 横浜FCが、今季9戦目にして初勝利をあげた。ここまで8戦勝ちなしの危機感からか、この日は前節まで4位と好調な水戸を攻守に圧倒した。無得点のまま迎えた後半ロスタイムに、42歳FWカズ(三浦知良)がFW難波宏明(26)の決勝ゴールをアシストし、1-0の勝利に導いた。横浜FCは最下位を脱出して16位に浮上した。

 カズの「トラップミス」が、ドラマを生んだ。引き分け寸前の後半ロスタイム、MF鄭容台のスルーパスに反応したカズはシュートを狙って前に出た。トラップは大きくなったが、走り込んだ難波が倒れ込みながら左足を振り抜くと、ボールはゴールへ転がった。1-0。昨季44節、同じアウェーの水戸戦で勝って以来11試合ぶりの勝利だ。

 後半31分から出場したカズは、わずか14分のプレーに「やった感はない」と話し、「まず1勝しなければ始まらない。これがスタート」と喜びを包み隠した。アシストは「ミスだよ」と言ったが、シュートを打とうと前に出た積極性がゴールにつながった。「後ろにトラップしてたら、得点はなかった。ゴールに向かう気持ちが大切」。この日も左MFとしての出場だったが、ゴールへの意欲は衰えない。プロ24年目で最も時間がかかったシーズン初勝利。ここから、42歳の逆襲が始まる。