「サムライ」の魂を持つ助っ人が「天地人ダービー」の主役に名乗りを上げた。9日、新潟をホームに迎え撃つJ1山形FWジャジャ(22)が8日、新潟切りを誓った。5日神戸戦で、初出場初ゴールを挙げ、上り調子は確実。武士や忍者好きのジャジャを応援するべく、武将・直江兼続のマスコットキャラクター「かねたん」も応援に駆けつける。2戦連続ゴールで、3戦ぶりの勝利をもぎとる。

 いつ、どこで覚えたのか、ジャジャは「天地人」が「郷土」に縁のある武将を描いた作品だと知っていた。「ジャジャもサムライです。得点したらサムライのパフォーマンスも用意します」と意気込み、何度も刀を振り抜くまねをした。母国ブラジルで、日本のマンガやアニメを見て育ち、武士や忍者がお気に入りだ。

 「山形のためなら、どんなサポートでもする」と、武士のような献身ぶりを見せるジャジャ。ダービー独特のムードも大歓迎だ。昨季まで所属したブラジルのクルゼイロで、サポーターが熱狂するアトレチコ・ミネイロとの戦いを積んできた。「6万人が集まるゲームに何回も出てるけど、得点を決められなかった。ダービー初ゴールを、日本で決める」と約束した。

 チームのピンチに活躍してこそ「助っ人」との思いが、ジャジャにはある。古橋こそ、この一戦から復帰濃厚だが、右足首痛の長谷川は早くても16日広島戦になりそうだ。7日のMRI検査結果について、小林監督は「異常はないけど、痛みがある。今日(8日)歩いたけど、まだだめ」と明かした。代役の、期待がかかるジャジャには「いいものを持ってる。けが人がいる間に結果を出せれば使う時間も長くなる」とエールを送った。

 なごみ系の「かねたん」が、試合前に新潟イレブンの戦闘意欲を削ぎ、疲労が出る後半に、戦局を見極めた指揮官がジャジャを投入-。「サムライのような強い気持ちで、試合に入る」という助っ人の2戦連続ゴールが、新たなダービーの歴史を飾る。【山崎安昭】