<J2:徳島3-3札幌>◇第14節◇10日◇鳴門

 楽勝ペースと思いきや…。コンサドーレ札幌はアウェーで徳島に3-3で引き分けた。FWキリノ(24)の2得点などで2点をリードし、試合を優位に進めながら、後半29分から3分で2失点。終盤に集中力を欠き、カウンターとセットプレーから得点を奪われ、勝ち点2を失った。4月12日の富山戦から8試合負けなしとなったが、同勝ち点の徳島との直接対決で痛恨のドローで順位浮上のチャンスを逃した。

 札幌の大事な勝ち点2が、鳴門の渦潮にのみ込まれていった。石崎監督は「まだまだプレーに甘さがあるということ。普通なら3-4に逆転されておかしくない展開。引き分けたことを前向きにとらえるしかない」と、勝ち点1を積み上げながら、敗戦以上に硬く重い表情で試合を振り返った。

 前半に2点を先制する理想的なスタートだった。後半立ち上がり4分にPKを与え1点差に追い詰められても5分後にキリノが、この日2点目となるゴールを決めて突き放した。教科書通りの展開に持ち込みながら、たった3分の集中力不足で相手に流れを譲った。

 同29分に、右サイドに出されたロングボールにDF趙が対応しきれずクロスを上げられ失点。同32分には左CKに飛び出したGK荒谷がパンチングできず、ファーサイドにこぼれたボールを押し込まれ同点に追いつかれた。荒谷は「触れると思ったのに…攻撃陣が3点取ってくれたのに失点してしまい申し訳ない」と謝罪した。4月29日の愛媛戦同様、リードしながら自分たちの流れに持ち込めず、連続失点する不安定さをまたも露呈してしまった。

 札幌は第14節を終了した時点で、J2上位9チーム中、ワースト2位の20失点。完封試合は、1人退場して10人となった4月26日の横浜FC戦と2日の福岡戦の2試合のみと、追い詰められれば発揮される執念が、リードした途端に空回りする悪循環を繰り返している。MF藤田は「気持ちの緩みがあったと言われても仕方がない」と言う。今節、湘南、C大阪、仙台の上位3チームはすべて勝利、札幌は単純な集中力不足で貴重な勝ち点2を逃した。このドローを、いい薬だと思うほかない。【永野高輔】