石崎札幌がバージョンアップを図る。コンサドーレ札幌の石崎信弘監督(51)が、新たな攻撃パターンを注入する。今季は高い位置でボールを奪ってカウンターを仕掛ける、スピーディーな攻撃を主体としてきた。半面、引いて守る下位クラブにはリズムをつかめず、苦戦することもあった。相手の順位に関係なく勝ち点を上積みするため、指揮官はカウンターだけでなく“つないで崩す”新スタイルに改造していくことを18日、明言した。

 「いつまでもカウンターだけじゃだめ。つないでからの崩しにもチャレンジしていく」と石崎監督は言った。新たなコンセプトとして、(1)くさびを使った崩し(2)ワンツーを生かした崩しを掲げた。9戦不敗という好調ぶりに手応えをつかんだことで、「1段階高いレベルを目指す」と宣言した。この日札幌・宮の沢で行った紅白戦でもFWキリノのくさびを使った攻撃、サイドハーフとFWとのワンツーに着手するなど、攻撃に時間を割いた。

 キリノは「どんな守備的な相手にでもこじ開けることを考えないと」と歓迎した。16日の岐阜戦では3点リードしながら終盤にピンチを迎えるなど、一本調子のカウンターサッカーの限界も露呈した。速さだけでなくうまさも取り入れた新スタイルで、戦国J2を戦い抜く。

 

 【永野高輔】