<J2:水戸0-0札幌>◇第16節◇20日◇笠松

 コンサドーレ札幌が不敗を10に延ばした。アウェーで水戸と対戦し、0-0のスコアレスドローに終わった。クラブのJ通算600ゴールは奪えなかったが、一丸となっての守備で2試合連続完封を演じた。押され気味の試合で貴重な勝ち点1を拾い、敵地では5試合連続負けなしとした。好調を維持したまま次節24日、今季札幌厚別での初戦となる東京V戦で、第1クールを締めくくりにいく。

 札幌が泥臭く勝ち点1を拾った。90分を戦い終えたイレブンの表情は明るくはなかったが、次につながる貴重なドローとなった。「ペースが悪いなりに失点ゼロで抑えた。プラスにとらえた方がいい」とDF吉弘。今季初めての2試合連続完封は、安定感を課題にしていたDF陣を上向かせる、大きな収穫となった。

 DF裏にロングボールを放り込むシンプルな水戸の攻撃を、ひたすら耐え続けた。前半26分には相手FKが右ポストに当たり、ゴールライン上に転がった。DF西が必死で蹴り出し難を逃れた。前節まで3戦連続で3点以上を挙げている攻撃陣が沈黙する中、吉弘、趙のセンターバックを中心に、全員が90分間集中力を維持し続けた。

 内容は決して良くなかった。石崎監督は「ゼロだけど、ほめられる内容ではない」と口にした。ミスが続出し、主導権を握られる時間帯が多く、いつもは強気の采配を見せる指揮官が慎重になった。交代は後半21分に投入したMF砂川のみ。交代枠を1つしか使わなかったのは今季16試合で2度目のことだった。「チーム全体がリズムをつかめず、攻撃的な形にすると反対にやられそうだった。代える勇気が出なかった」と言うほど、際どい試合でもあった。

 後半2分には左サイドを崩され、決定機をつくられるも相手のシュートミスに救われるなど幸運もあった。司令塔クライトンが「ボールが必要以上に走った。今までにないピッチコンディションだった」と漏らしたほど、湿ったピッチに苦戦した。ひたすら攻め込まれながらも勝ち点1を奪った結果は、悲観すべきものではない。

 次節は第1クール最終戦となる東京V戦。「負けなかったということで、次の試合に切り替えたい」と石崎監督は言った。クラブのJ通算600号ゴールはお預けとなっただけに、次こそは、すっきりと勝ち点3を奪いたい。【永野高輔】