札幌が奇跡の巻き返しへ1歩を踏み出す。J2札幌は4日、ホーム札幌ドームで水戸と対戦する。チームはここ5試合未勝利と結果が出ていないが、折り返しとなる節目の一戦こそは勝ち点3を奪い弾みをつけたいところ。3位まで昇格可能となった04年以降、リーグ半分で昇格圏と勝ち点差15から逆転したクラブはない。札幌が驚異の7月攻勢で昇格戦線に食い下がる。

 もう足踏みはしない。札幌が大観衆の後押しを受け浮上のきっかけをつかむ。「ワシのナツコン」と題した集客作戦も実施しており、前売り販売数は前日3日の時点で2万3500枚と開幕仙台戦をしのぐ勢いだ。MF岡本も「初めて見にくる人もいると思う。たくさんの人がリピーターになってくれるような面白い試合をしたい」と6戦ぶりの勝利を誓った。

 石崎監督が推し進める「つないで崩す」コンセプトは間違ってはいない。MF西は「あとは自分たちが結果を出して石さんのやっていることが間違ってないことを証明するだけ」と言う。6月21日の湘南戦も27日の仙台戦も試合の主導権は握った。石崎監督も「強いと感じた相手?

 C大阪の香川や乾のプレーは素晴らしかったが、どのチームが強いという印象は特にない」と言う。上位と力の差はない。あとは結果だけだ。

 J2で札幌ドームに2万人以上動員した試合での勝敗は6戦1勝1分け4敗と分は悪い。だが、唯一の勝利は前回昇格を決めた07年12月1日の水戸戦。もう1度J1を目指すには絶好の相手と舞台がそろった。「まだ間に合う」と岡本。札幌が大事なターニングポイントで勝ち点3を奪い、再び息を吹き返す。【永野高輔】