<J1:広島2-1山形>◇第24節◇30日◇NDスタ

 山形が1-2で広島に敗れ、前節から順位を1つ落として15位となった。0-1の後半26分、リーグ戦8試合ぶりに出場のFW古橋達弥(28)が、直接FKを決めて同点に。だが、追加点を許し、リーグ戦2連敗となった。J2降格圏内の3チームが今節、思うように勝ち点を伸ばせず、勝てば残留へ前進できるゲームだっただけに、痛い黒星だ。

 サポーターは左足首のねんざが完治した古橋のFK弾に「希望」を見た。後半26分、ゴールほぼ正面にセットされたボールは、壁を越えてゴール左下へ突き刺さる同点弾。「雨でスリッピーだったので、ふかさないように、できるだけ低く蹴った。狙い通り」。プロ通算14試合目で、初の途中出場ゴールに興奮し、両手を力強く掲げた。

 会場が一気に盛り上がったその9分後、ミス絡みで勝ち越し弾を許してしまった。下位の3チームが、勝ち点を思い通り伸ばせなかった今節。山形としては、是が非でも勝ち点を取りたかった。今季5点目の喜びよりも古橋は「もう1本チャンスがあった。負けて悔しい」と、突き放せなかったことを反省した。

 FW長谷川が警告を受け、次戦の浦和戦は出場停止。「ハセフル先発復活」は、持ち越すが、古橋は「しょうがない。いるメンバーでやるしかないです」と、前を向く。小林監督も「組織的な守備はできていたし、あともう少しクロスの質があれば…。ある部分で収穫もあった」と、手応えを見せた。勝率5割以下が確定した敗戦にも、ブーイングは起きなかった。必ずや残留する―。選手の決意を、サポーターが感じ取っているからだ。【山崎安昭】