チームトップの15得点を挙げているコンサドーレ札幌のFWキリノ(24)が、13日の甲府戦(小瀬)で2戦連発を宣言した。2得点挙げれば07年昇格の立役者で、移籍金7億円で今季名古屋からカタールリーグのウムサラルに加入したFWダビの初年度ゴール数17点に到達する。出世街道の第1章を一気にクリアし「億の男」へと駆け上がる。

 キリノが“超出世男”の記録を視界にとらえた。「目標はダビの得点数だけではないが、札幌の歴史に名を残した選手でもある。自分もチームに貢献できるよう可能な限りゴールを積み重ねていきたい」。前節愛媛戦で1ゴール加え15得点とし、J2外国人トップに躍り出た。残り13試合でのダビ超えは確実だが、ここ4戦3発の勢いを生かし、1戦で片を付ける考えだ。

 年俸わずか500万円で札幌入りしながら、3億円の移籍金をクラブに残しJ1、そして中東へと羽ばたいたダビの栄転はキリノにとっても魅力だ。11日には東京FWカボレもカタールリーグへの移籍が決まるなど、オイルマネーによるJリーグからの中東移籍が加速。「カタール?

 自分はそんなに注目されるような選手じゃない」と謙虚に言うが、プロ選手として将来的な展望の1つとしてとらえてはいる。

 8月20日に長女エロアちゃんが生まれ「得点を挙げないと赤ちゃんのミルクとオムツが買えなくなるんだよ」とパパパワーも得点への大きなモチベーションだ。キリノがチームのため、家族のため、自分の価値を上げるためにゴールへと突き進む。【永野高輔】