<J2:福岡2-0仙台>◇第39節◇13日◇レベスタ

 仙台が“初防衛”に失敗した。2シーズンぶりに「首位」として臨んだ試合で、福岡に0-2で完封負け。わずか1節で2位に後退し、C大阪に首位の座を明け渡した。前半39分にリスタートから先制され、後半23分にも追加点を献上。今季初の2点差負けを喫した。連勝は「3」、連続試合得点と同不敗は「6」でストップ。途中出場したFW中原貴之(24)の連続試合得点も「4」で止まった。

 頼みの神通力も及ばなかった。2点を追う後半ロスタイム。MF梁のCKが中原の頭をとらえる。だが、福岡GK六反に右手1本ではじかれ万事休した。首位で迎えた初戦。手倉森監督は「完敗です」と認めた。敗戦の1時間後に始まった試合でC大阪は快勝。「首位」の2文字が消えた。

 気の緩みを突かれた。前半残り6分。福岡の左FKをMF久藤に素早く蹴られ、ノーマークのFW黒部に合わされた。後半の失点も久藤のクロスから。DF渡辺は「1点目は相手のFKを見逃した。2点目はDF朴とぶつかって対応が遅れた」と肩を落とした。

 約2年5カ月ぶりの「首位」。響きは良かったが、重圧に押しつぶされた。首位浮上後、イレブンは「『三日天下』は避けたい」と警戒したが、わずか1週間で陥落。主将の梁が「パスの出し手と受け手の動きが普段と違った。いつもよりボールを動かす工夫が足りなかった」と悔やめば、MF斉藤も「首位で勝ち点を積み上げたかったけど、その前に、自分たちのサッカーができなかった」と指摘。体が動かなかった。

 今季初の2点差敗戦。連勝も連続得点も、そして中原も封じられ2位に後退した。3位湘南、4位甲府とは勝ち点1差。指揮官は「首位に立った時に負けるのは、力が足りない証拠」と出直しを誓ったが、首位から一転、昇格圏外におびえる地位に転がり落ちた。