コンサドーレ札幌の趙晟桓(27)が右前頭部負傷を押して23日の岡山戦に強行出場する。前節福岡戦で同カ所を打撲し、内出血のため21日の練習を早退。欠場の可能性もあったが、プレーに支障ないというトレーナーの判断で先発メンバーに入ることが確実となった。右ひざ打撲のためボランチのダニルソン(22)が欠場。DF面での戦力ダウンは否めないが、不屈のコリアン魂で今季初の連続完封に貢献する。

 趙にとって痛みはパワーだ。福岡戦終了後は内出血で殴られたボクサーのように腫れていた右まぶたは、2日たって青黒くなり、さらに痛々しく変わった。それでも小さなばんそうこう1つ張っただけの無防備なスタイルで「大丈夫。サッカーをやることに問題はない」と平静を装った。

 顔面への負傷は恐怖感を残す可能性もあるが「韓国時代から体をはったDFが自分の武器だったから、よくあった。怖さ?

 ないね」と言い切った。札幌は40試合を消化して50失点。上位4チームの平均失点が39・25と、守備面でのもろさが浮上の妨げとなっているだけに、趙を中心とした堅守を築き上げ戦力アップを図りたいところだ。【永野高輔】