コンサドーレ札幌DF吉弘充志(24)が満身創痍(そうい)の守備陣を立て直す。DF石川直樹(24)が15日、A型インフルエンザ感染のため17日の徳島戦欠場が決定。DFラインの統率役として吉弘のリーグ3戦ぶりの先発が濃厚となった。前日14日の日本代表戦ではU-20代表時代のチームメートMF本田圭佑(23)が2戦連発、FW森本貴幸(21)が初得点。同世代の奮闘で目覚めた吉弘が、体を張った守備で昇格消滅の危機を救う。

 がけっぷちのチームを背番号2の闘志でカバーする。徳島戦は石川だけでなくDF趙も左かかと筋膜炎で5試合連続欠場が決定。DF西嶋も出場停止と大幅な戦力ダウンは必至だが、吉弘は「いるメンバーで結果を出し、使って良かったと思われるようなプレーをしたい」と勝利を誓った。

 前日14日の代表戦では05年U-20W杯オランダ大会で同じ釜の飯を食べた本田と森本が爆発。日本を引っ張る立場になった仲間の存在に刺激を受けた。「もっともっと成長して、大きい舞台を目指さないといけないと痛感した」。今はJ2という舞台ながら、地道に自分を磨き上げ将来へのステップにするつもりだ。

 11日の天皇杯ガイナーレ鳥取(JFL)戦では、格下相手に1失点しただけに石崎監督も「汚名返上してほしい」と奮起を促した。定位置再奪取を目指す吉弘が終戦間近の重圧をバネに変える。【永野高輔】