<J1:磐田0-0鹿島>◇第29節◇17日◇ヤマハ

 磐田が鹿島に引き分け、対鹿島14戦連続白星なしとなった。リーグでは6年ぶりにヤマハで鹿島を迎え、前半から積極果敢に攻めたが、ゴールを奪えなかった。スコアレスドローは今季初めてで、今季開幕当初から課題とされた守備は安定したものの、無得点に終わった。残り3つと迫った通算1000ゴールはお預け。J1残留ラインとしていた勝ち点40にも、届かなかった。

 打てども打てども、鹿島ゴールは遠かった。前半のシュート数は鹿島の2本に対し12本。圧倒的に攻めた。それでもゴールを奪えなかった。両者打ち合いとなった後半には、MF船谷、上田、松浦を次々と投入し、攻撃的采配を執った柳下監督は「試合を終えて戻ってきた選手は悔しそうな表情をしていた。やはり勝ち点1に満足していなかった」と、選手の気持ちを代弁するように話した。

 02年を最後に、14戦連続で白星なし。それでも7年ぶりの勝利こそ逃したが、苦手意識を一掃するかのような内容だった。序盤からMF成岡と岡田が中盤を押し上げ、後方の守備陣もけん引。相手が攻撃に転じる前に、芽を摘んだ。前半10分には、右足アウトサイドで巧みにミドルシュートを放った成岡は「やりたいことはできている。あとは結果。フィニッシュの精度を上げたい」と課題を口にした。

 通算1000ゴールまで残り3となったカウントダウンも刻めなかった。それでも、前年王者に対し「90分間、我々のリズムでやれた時間が長かった」と指揮官が振り返るほどの内容だっただけに、悔しいドローとなった。【栗田成芳】