J2仙台MF梁勇基(27)が、お祭り気分から「戦闘モード」に切り替えた。前日7日のJリーグ・アウォーズ(年間表彰式)で、来季J1で戦うライバル勢と対面し発奮。優勝後初練習となった8日、天皇杯準々決勝(12日=対川崎F、ユアスタ)に向けて気を引き締めた。川崎F戦は、前日本代表監督のイビチャ・オシム氏(68)も観戦予定。大宮、東京に続くJ1勢3連破で、名将を仙台に振り向かせる。

 クラブ名を呼ばれただけの昨年は屈辱すら感じたJアウォーズも、今年はモチベーションを高める場となった。2年連続フェアプレー賞やチェアマン特別賞を受賞し「表彰されて壇上に上がれた。もう行きたくないと思った去年と違って、行って良かったなと思う」と梁。それ以上の収穫は、J1の空気を感じられたことだ。周囲を見渡せば、代表クラスばかり。川崎Fの北朝鮮代表FW鄭大世や、日本代表MF中村憲剛とも対面した。

 梁

 天皇杯で当たる川崎Fのテセとか憲剛さんと話してきました。向こうの、残されたタイトルの天皇杯にかける思いを強く感じたし、うちもホームなんで負けられない。サポーターのためにも、いい試合をしなきゃと思いましたね。

 来季のライバルに触発されて、優勝気分を封印。そしてJ2王者として挑む川崎F戦は、オシム氏が観戦予定だ。梁は03年にJ1千葉入りが破談。その時の監督が同氏だったが「オシムさんは関係ないし、仙台らしいサッカーを見せるだけっすよ」と気負いはない。オシム氏のお目当ては川崎Fだが、活躍して目に留まれば-。その評価を通じて来季へのさらなる自信、そして北朝鮮代表への復帰も近づくかもしれない。【木下淳】