エースFW岡崎慎司(23)が、チームの「鬼門」を突き破る!

 J1清水は12日天皇杯準々決勝(アウスタ、午後1時)で新潟と対戦する。清水にとって天皇杯準々決勝は、長谷川監督就任1年目の05年の決勝進出以降、3年連続で涙をのんでいる最大の関門。今季、日本代表戦を含め55試合に出場し、30ゴールを量産してきた岡崎が、年末のジンクス打破へ最後の力を振り絞る。

 リーグ戦は終わっても、エースの闘志に衰えはない。冷たい雨が降る11日の最終調整を終え、岡崎は「リーグ戦で苦い思いを経験した。だからこそ、天皇杯は勝ちたい。今はそれしか考えていない」。終盤戦の5連敗で7位に沈んだリーグ戦のリベンジを誓った。「チーム全体でチャンスは多くなってきた。あとは自分が決めるだけ」と、10月25日(東京戦)以来となる48日ぶりのゴールにも、強い意欲を示した。

 「不屈のストライカー」と呼ばれる岡崎でも、多忙な日程で、今や疲労はピークに達している。7日は東京で行われたJリーグ・アウォーズに出席。その後、一度静岡に戻り8日のチーム練習に合流。同日午後には再び日本代表の短期合宿のため、東京に向かった。「けっこう疲れてる。体のケアをする時間もない。でも、今年はやりきるという気持ちが一番強い」と気力を奮い立たせた。

 リーグ戦ではチームでただ1人の全34戦に出場。カップ戦、日本代表戦を含めると年間55試合に出場し、決して大きくない173センチの体を酷使してきた。長谷川監督は「疲れていることは間違いない。でもうちにとって大事な選手。残り3試合、頑張ってもらうしかない」と期待を隠さない。新潟戦はダブルボランチに枝村と本田。サイドMFには兵働、藤本を配置し、攻撃的布陣で臨む。不振だった相棒ヨンセンも復調してきた。エースへの援護体制は整った。代表のエースへと大ブレークを遂げた栄光の「09年・岡崎慎司物語」を、ここで終わらせはしない。【為田聡史】