「プラチナ世代」の代表格、U-17W杯日本代表MF柴崎岳(17=青森山田高)の11年シーズンからの鹿島加入が内定した。13日に獲得を目指していた名古屋を断り、15日までに鹿島に進路を決断した旨の連絡を入れた。鹿島は今月中にも書類をそろえ、高校2年生では異例の仮契約を結ぶ予定。2月に正式発表される。

 鹿島は、鈴木満強化部長が常々「うちの補強ポイントは中盤」と話したように、リーグ3連覇を達成した中盤は小笠原、本山、中田が今年で31歳、野沢が29歳を迎えるなど、ベテランが主軸。世代交代が必要不可欠で、来季からとは言え、柴崎の加入内定は大きい。

 柴崎には早くも鹿島の魂を注入される場所がつくられる。2月1日から11日間行われる宮崎合宿に参加する計画が浮上。本人、学校側との日程調整がつき次第、実行に移される予定で、鹿島関係者によると「本人も行きたいと言ってくれている」という。

 鹿島の宮崎合宿は終始厳しいフィジカルトレーニングが強いられる「地獄の合宿」だ。だが、青森山田高関係者が「柴崎はフィジカルトレーニングが好き」と証言するように、自己鍛錬への意識が高い。王者の体力強化を体感すれば、さらに成長を遂げる可能性は高い。

 Jクラブ下部組織では浦和MF原口が昨季、高校2年生でプロ契約を結んだ例などがあるが、高校サッカー部所属の選手が高2でプロ仮契約を結ぶのは異例中の異例。鹿島側は来年度は青森山田のプレーに専念させる方針だが、小笠原らベテランの背中を見せながら、柴崎を将来の王者の柱へと育成する構えだ。