日本代表入りした東京FW平山相太(24)が17日、サインを「平山相太」を崩した漢字から、世界仕様のローマ字筆記体「Sota」に変えた。平山は小学生のころ、親せきから「将来、プロ選手になった時に使うから」とアドバイスを受け、漢字を崩したサインを完成したが、十数年ぶりに変更。実質初めてフル代表入りした平山が、世界基準のサインでW杯南アフリカ大会を目指す。

 平山はこの日、サポーターに提供するW杯南アフリカ大会公式球「ジャブラニ」に、ローマ字筆記体で「Sota」の新サインを初めて記入した。「今年は海外仕様っす。気持ちを新たにするということで変えました」と、サインも「世界基準」にモデルチェンジした今季への意気込みを口にした。

 並々ならぬ意欲で練習に取り組んでいる。ハットトリックを決めたアジア杯予選イエメン戦(サヌア)から8日に帰国後、12日から地元福岡で3日間の合同自主トレを敢行。50段を超える階段ダッシュを精力的に行うなど、体幹を中心にフィジカル強化に挑んだ。その間、実質フル代表に初選出。帰京した16日にも予定していた休日返上で、東京・小平グラウンドで体を動かした。この日、同グラウンドでの自主トレを視察した石井義信アドバイザーは「相太は変わった。昨年のこの時期に比べると、とんでもなく動けている」と目を細めた。

 チーム関係者の期待も大きい。コンスタントな2万5000人の観客動員。2月1日に募集するクラブサポートメンバー(年会費1000円)10万人。昨季1万人を超えた携帯サイト加入者を2万人に増やす。3つの目標を掲げる村林裕社長は「FC東京をあまり知らない人でも、『あのでっかいのはどうした』と平山のことで声をかけられる。目標のハードルを越えるためにも平山の活躍が大きい」と期待した。世界基準を見据える平山が、東京の、日本サッカー界の起爆剤となる。【塩谷正人】