FW内村が“フリーマン”となり前線をかき回す。コンサドーレ札幌は19日、札幌・宮の沢で紅白戦を行った。18日に腰痛のため練習を休んだ新加入FW内村圭宏(25)が合流。左サイドハーフのポジションに入り、状況に応じて中央に流れるなど変幻自在な動きで起点をつくった。前節福岡戦は途中出場でチャンスメークした新背番13が、21日の栃木戦で、初勝利への突破口を切り開く。

 内村が縦横無尽にピッチを駆け回った。紅白戦では左サイドハーフながら、中に入って近藤、キリノの2トップの後ろでボールを受けドリブルで仕掛けるなど、ポジションこだわらず好機を演出した。石崎監督も、腰痛明けながら精力的な動きを見せた内村に「FW2人とうまく絡んでくれれば」と得点力アップへの期待を示した。

 要求次第で自在にタイプを変えられるのが内村の強みだ。開幕戦は近藤と2トップを組み先発出場、福岡戦は途中出場で後半から3-5-2のトップ下に入った。左サイドハーフは2月28日のプレシーズンマッチ大分戦以来となるが、今回は、また立場が異なる。「大分戦はサイドに張っていて窮屈な感じがした。今回はしっくりきている」。“サイドの選手”という束縛をなくし、ボールを受けられる場所に自由に飛び込みチャンスをつくっていくのが今回の使命だ。

 会場の栃木グリーンスタジアムでは昨季の栃木戦で2発。チームで唯一、敵地のピッチを知る男だけに初得点へのモチベーションも上がっている。14日には札幌の新居に入り、腰も据えた。「あとは住民票。移すのは勝ってからにしたい」。初勝利を自らのゴールで飾り、晴れて北海道民になる覚悟だ。【永野高輔】