疲れが抜けきらない中2日は、勢いと内助の功で乗り切る!

 11日神戸戦で今季初得点を挙げたJ1山形FW北村知隆(27)が、14日ナビスコ杯清水戦へ先発志願した。疲労はあるが、結果を出して気持ちが軽くなった北村は「(先発)行きますよ」。体脂肪率7・1%で、動きはキレを増すばかり。妻の手料理にも支えられてカップ戦でも得点し、好調をアピールする。

 「今までなかったゴールですね」とニヤつく北村は、今季初得点から一夜明けた12日も、その興奮を隠せなかった。ペナルティーエリア内の左、角度のない位置で、相手DFが立ちはだかり、しかも後方にGKが待ちかまえる。得点の可能性が低い「苦手な左足しかない」(北村)と決断。体を大きく左に倒し、体幹の筋肉を使い目いっぱい左足を振り上げていた。

 これまで9%前後だった体脂肪率が、現在は7・1%の北村。「プロになって初めて、腹筋が割れました」と頭をかく。アスリートにとっては、余計な物をそぎ落とし、キレのある動きを手に入れた。体勢を崩しながらも左足を振り上げられたのは、腹筋が強化された証拠だ。

 多いときには、1試合で2キロも体重が減るサッカー選手。短期間で回復させるのは困難だが、北村は「スタミナが切れる感じは今のところ、ない」と胸を張る。自信を支えるのは、彩夫人(26)の手料理。北村は「おととしですかね(クラブ主催の)栄養学を勉強してました」と、おどける。

 キャンプ中から小林監督に好調を認められ、リーグ開幕から全試合出場している。疲れはあっても「4月中にゴールができて、楽になった」と、気持ちは充実する。FWにとっては、なによりも起爆剤となるゴールが生まれ、いい流れを持続させたい思いが強い。「気持ち的に、桜が開花しました。行きますよ」。清水戦の先発出場を志願して、北村が足取り軽く練習場を後にした。【山崎安昭】