W杯日本代表の当落線上にいるC大阪MF香川真司(21)が、ブンデスリーガ(ドイツ1部)のドルトムントから正式オファーを受けたことが8日、分かった。同リーグのシャルケ、ケルンも香川を狙っているが、獲得競争で一番乗りとなったドルトムントが移籍先の最有力となった。C大阪も異例の移籍金0円で送り出す。交渉が順調に進めば、W杯南アフリカ大会後の7月にも「ドルトムント香川」が誕生する。

 10日のW杯メンバー発表を控える香川へ大きな贈り物が届いた。この日までにドルトムントから正式オファーを受けたことが判明。ブンデスリーガ優勝6度、96-97年シーズンには欧州CLを制覇したビッグクラブへの移籍が濃厚となった。ブンデスリーガに詳しい関係者は「ドルトムントは本気で香川を狙っている。一番乗りで誠意を示した。絶対に必要な戦力としてオファーを出した」と明かした。

 香川は昨年12月下旬にドルトムント、シャルケ、ケルンのブンデス3クラブとオランダ1部VVVの公式戦や施設を見学した。結局はC大阪に残留したが、1月の始動日に「海外に行くのが半年遅れたと思っている」と発言し今夏での海外挑戦を決断。C大阪とシーズン途中でも移籍金0円、育成費の4000万円(推定)で海外移籍できる契約を結んだ。近日中にも具体的な交渉に入り、順調にいけば、W杯後にも「ドルトムント香川」が誕生する。

 昨オフも獲得に動いたドルトムントは3月に強化担当者を日本へ派遣し香川を徹底マークした。華麗なドリブルと得点力、そして、将来性も高く評価。今夏の移籍市場で再アタックすることを決めた。提示額は推定で年俸8000万円の複数年契約とみられる。香川にとっても魅力的なクラブだ。現在、リーガで上位争いを演じ、来季の欧州杯出場の可能性もある。

 まずはW杯出場が目標。当落線上にいるが、J1で6ゴールと得点ランクトップに並ぶ。5日の鹿島戦でもゴールを決め視察した岡田監督に猛アピールした。W杯メンバーに選出されれば、15日神戸戦(長居)がC大阪での最後の試合となる。6月に南アフリカで輝き夏にドイツへ渡る。香川にとって最高のシナリオとなる。