磐田、清水の両エースが悔しさを胸に17日、静岡ダービーで激突する。首位を走る清水のFW岡崎慎司(24)は、W杯南アフリカ大会で先発から外れた悔しさをゴールラッシュで晴らす。

 再び戦いに出る準備は整った。清水岡崎は全体練習後、1周だけコートをジョギングして、ロッカールームに引き揚げた。「コンディションは、もう大丈夫です。試合をするのが楽しみだし、待ち遠しい気持ちです」。6日のチーム合流後は連日、約30分の居残り練習でコンディション調整に務めてきた。長期遠征での疲労回復、時差ぼけ解消、夏の暑さ対策…。山積みだったリーグ戦再開への準備を、この日までに完了させた。

 ずっと目標にしてきたW杯では直前に、まさかのスタメン落ち。チームとしては16強入りし、岡崎自身もデンマーク戦で1ゴールを挙げたが、不完全燃焼だったことは否めない。「悩んでしまった時期もあった。今、思えば先発で試合に出るというプレッシャーがすごくあったんだと思う。燃え尽き症候群なんかには到底なれる状況じゃなかった」。夢の舞台で、屈辱と悔しさを痛感した。

 だからこそ、成長への活力が生まれた。ストライカーとして、こだわりは、もちろんゴール。「シュートはどこを狙って打つか。たとえ、外したとしても、そこまでのもっていき方も大事。でも、一番大事なのはチャンスが来たときに、決めること」と、今まで以上に結果に執着し、ゴールまでのプロセスも重視する。さらに「練習でも入らないシュートは試合でも入らない。自分は下手なんで、とにかく練習するしかない」と、今まで通りのハングリーさも忘れない。

 約2カ月ぶりのリーグ再開戦、しかも静岡ダービーと、闘志を燃え上がらせる材料はそろった。サムライストライカーの、次なる目標への挑戦が始まる。【為田聡史】