<J1:G大阪3-1仙台>◇第18節◇14日◇ユアスタ

 仙台がG大阪に1-3で敗れ、泥沼のリーグ13戦連続勝ちなしとなった。11日に東京から補強したFW赤嶺真吾(26)がいきなり先発。攻撃的MFの梁勇基(28)をボランチに下げる奇襲に出たが、前半21分に失点。一時はDF菅井の得点で追いつきながら連続失点で突き放された。ホーム2連戦でも連敗を喫し、後半戦も痛すぎる黒星発進となった。

 前半20分すぎから降り出した雨が、イレブンの肌を冷たく突き刺した。夏休みに会場を埋め尽くしたサポーターの涙とまじる。悪夢の勝ちなし街道でも響く「ベガルタ仙台コール」が悔しさを一層際立たせた。

 勝負に出た。11日に東京から獲得したばかりのFW赤嶺を即先発させ、攻撃的MF梁をボランチに下げた。だが“奇襲”で主導権を握ったのは序盤だけ。百戦錬磨のG大阪に徐々にアジャストされ、21分に一瞬のスキが生まれる。FW宇佐美が右サイドからシュート。GK林が1度ははじいたが、こぼれ球をDF中沢に押し込まれた。

 それでも意地は見せた。後半14分、赤嶺がスローインからの個人技で左サイドを抜ける。中央を経由してMFフェルナンジーニョがシュートを放ち、クロスバーにはね返された球をDF菅井がボレーで決めた。だが、3分後に勝ち越しを許した。最終ラインを切り裂かれてMF橋本に4戦連弾を献上。33分には、カウンターからFW平井に絶望的な3点目を許した。

 FW赤嶺に合流3日目で結果を出せというのも酷な話。梁のボランチ策は7日の横浜戦でも途中から取ったが、梁が「あの時は横浜が先制して無理に攻めてこなかった。最初から攻められた時は分からない」と話した手探りの戦術。こちらも、いきなり機能しなくても仕方なかった。

 これでリーグ戦の勝ちなし試合は13(4分け9敗)に伸びた。リーグ再開後も1分け5敗。手は打てども出口は見えない。降格圏からの脱出どころか、17位湘南が勝ち点1差に迫る。泥沼から足を引き出せる日はいつ来るのか?【木下淳】