念には念を入れて、モンテディオの指揮官が自ら、スカウティングに出動する。山形小林伸二監督(50)が1日、3日の天皇杯1回戦(山形大対JFLブラウブリッツ秋田=NDスタ)をスタンド観戦する考えを示した。勝者とは2回戦(5日)で戦う。前回大会は明大に足もとをすくわれ「悪いゲームをしたら日本協会に悪い。きっちりやる」と語った。

 格下との試合にも、同監督は「(プロを倒そうと)メンタルが高い。難しい試合になる」。この日、広島戦(8月28日)で右足首をねんざしたDF宮本が全治4週間、左ひざ内側側副靱帯(じんたい)を損傷したMF秋葉は全治6週間と発表された。「1カ月以上離れる。長い…」と渋い顔だ。

 不動の先発2枚を欠くが、同監督は完成度が高まる4-1-4-1システムの変更は頭にない。「誰を置くか考える。(生観戦で)見えてくることもある」と話し、資料が少ない相手の特徴を、自らあぶり出す腹づもりだ。くしくもこの日は防災の日。故障者発生で、メンバー変更が必至の天皇杯を通じ、チーム全体の連係をさらに高める。残りのリーグ戦に、トーナメントでの「備え」が生きるはずだ。【山崎安昭】