<J1:山形2-1G大阪>◇第25節◇2日◇NDスタ

 164センチの最小戦士が、ビッグクラブから大金星を奪った。山形はG大阪に、J1参入後4試合目にして初めて勝利した。1-1の後半23分、途中出場のMF宮崎光平(29)が、2戦連続ゴールとなる決勝弾を決めた。6試合ぶりの勝ち点3を逆転勝ちでものにし、停滞ムードを一気に払いのける勢いだ。

 1カ月以上も我慢したうっぷんをイレブン、そしてサポーターが3度のガッツポーズに込めた。1度目は後半19分、MF下村の同点ゴール。2度目は同23分の逆転となるMF宮崎の2試合連続得点。そして8月17日の横浜戦以来となる、勝利の笛が鳴り響くと、1万2000人の観衆が地鳴りのような雄たけびとともに、両こぶしを夜空に突き上げた。

 1点を先制される苦しい展開を、ガラリと変えたのは宮崎だった。飛び出してくる相手GKを見極め、あざ笑うかのようなループシュートで鮮やかに逆転弾。下村の同点ゴールの起点にもなり、後半16分にピッチに投入された後は、相手DF陣をかき回した。「ラッキーなところもありますけど、結果が出て良かった」と、ヒーローは笑顔だ。

 小林監督は「1度(気持ちが)乗ると、とにかくいいプレーをする」と、宮崎を絶賛した。勝ち点を32に伸ばし、しかも優勝争いの常連・G大阪から初勝利を挙げた効果は、今後に大きく出るはずだ。「まずはJ1残留というところを決めて、その後に目標(勝ち点50)へチャレンジしたい」。けが人などが多数発生し止まっていた勢いが、この金星で一気に戻る気配だ。【山崎安昭】